今回はLINE公式アカウントのマーケティングツールであるL Message(エルメ)とLinyを比較していきます。
同じ機能拡張ツールでも、料金面や機能面などさまざまな違いがあります。
より自身に適したツールを選択できるように、双方の特徴・強みを一緒に見ていきましょう!
料金体系・プランを比較
まずは料金プランから見ていきましょう。
エルメ・Linyともに基本3プランで構成されており、月間配信数や使える機能面で差がある形になります。
料金面
Linyでは、初期費用として月額料金とは別に110,000円(税込)がかかります。
一方エルメでは、初期費用は無料となっています。
加えて、月額料金も無料のフリープランが設けられています。
一部機能面等で制限がかかる項目がありますが、無料で使える期間に上限はないため、完全無料で利用し続けることが可能です。
Linyには無料プランの設定はありませんが、お問い合わせをすると7日間有効なデモアカウントが発行され、これが実質的なお試し体験期間となっています。
最低契約期間については、エルメでは特に制限がありません。
任意のタイミングでプラン変更・解約が可能です。
Linyは全プランで必ず年間契約となりますので、この点は注意が必要です。
月間配信数
エルメのフリープランでは、月間1,000通までLINEでのメッセージ配信が可能です。
有料のスタンダード・プロプランではこの配信数制限がなくなります。
Linyでは、プランによって月間配信数が段階的に設定されています。
チャット履歴閲覧期間・友だち数上限
エルメではフリープランにチャット履歴の閲覧期間制限が、全プランでアカウントの友だち数に上限が設けられていますが、Linyではこのような制限はありません。
機能面を比較
続いて、機能面を比較してみましょう。
主要機能のうち、内容に差があるものを抜粋しまとめてみました。
どちらにも搭載されている機能
リッチメニュー
トーク画面下部に固定表示し、特定ページへのアクセスやメッセージ送信などのアクションを起こさせるリッチメニューは、高い情報伝達力を誇ります。
エルメでは、全プランでリッチメニュー設定が可能ですが、フリープランの場合設定できる数が2つまでに制限されます。
有料プランではこの制限はありません。
Linyでは、スタートプランではリッチメニュー設定ができません。
ベーシックプラン、またはプレミアムプランで利用可能です。
アンケートフォーム
友だちから商品やサービス、友だち自身についての情報を収集できるアンケートフォーム機能は、どちらのツールでも利用可能となっています。
ただし、エルメのフリープランを利用している場合、作成できるフォームは3つまでとなります。
CSV出力
保存されている友だち情報や付与されたタグなどを用いて友だちを絞り込み、その一覧をCSVデータで出力できる機能です。
メッセージ配信の効果測定など数値分析をする場合や、独自条件でリストを作成したい場合など、多方面で活用できます。
どちらのツールでも利用できますが、エルメのフリープランの場合、出力条件を保存できる数が1つまでとなります。
カレンダー予約
24時間365日予約受付ができるようになる大変便利なカレンダー予約機能。
エルメでは、フリープランを含め全てのプランで利用可能ですが、作成できるカレンダー数などにプランごとの差が設けられています。
例えば、フリープランではカレンダー数は1つまでですが、スタンダードプランでは3つまで作成できるようになるため、カレンダーを分けることで1つのエルメアカウントで3店舗分の予約受付を一括管理することが可能となります。
Linyでは、作成できるカレンダー数はどのプランでも1つとなります。
イベント予約
カレンダー予約と同様、イベント形式での予約受付もどちらのツールでも行えます。
エルメの場合は、プランによって決済機能の有無や作成できるイベント数に制限があります。
(フリープラン:決済機能なし・イベント2つまで、スタンダードプラン:決済機能あり・イベント10個まで、プロプラン:決済機能あり・イベント数無制限)
Linyでは、作成するイベント数に制限はありませんが、決済機能はツールに搭載されていないため付帯できません。
クロス分析
友だち自身や行動履歴から取得した多様なデータをクロスして分析する機能は、エルメでは全プランで利用可能です。
ただし、フリープランを利用している場合、設定・保存できる数が2つに制限されます。
Linyでは、プレミアムプランのみ利用可能です。
流入経路分析
友だちがどこから(例:店舗のポスター、LINE広告)友だち登録してくれたのかが分かる流入経路分析は、エルメだと全プランで、Linyだとプレミアムプランで活用できます。
費用を抑えつつ効率的に友達集めをしたい時には把握しておきたいデータですね。
スタッフ権限管理
運用管理スタッフごとに権限範囲を設定できる機能は、双方のツールに搭載されています。
エルメでは、メインの管理者を含め、フリープランで2人まで・スタンダードプランで11人まで・プロプランで無制限に管理スタッフ登録ができます。
Linyでは、スタートプランは1人のみ、ベーシックプランは3人、プレミアムプランは5人まで運用管理者を設定可能です。
エルメのみに搭載されている機能
スマートフォンアプリ
エルメではスマートフォン用アプリがリリースされています。
友だちとの1:1チャットのほか、カレンダー予約やフォーム回答など、こまめに確認・対応したい機能が搭載されています。
いちいちPCを開かずとも、ちょっとした隙間時間に手軽に顧客対応ができ大変便利です。
ポップアップ表示
LPなどホームページ上にポップアップ式の広告を掲載できます。
商品やサービス内容に興味を持ったユーザーをLINE公式アカウントに誘導し、友だち登録をしてもらう導線構築に効果的です。
決済機能
エルメはUnivaPayとStripeの2つの決済サービスと機能連携しています。
商品・サービスの紹介・宣伝から、販売・決済に至るまで、一連の流れをすべてLINE上で完結することが可能となります。
UnivaPayでは、最大24分割で決済・事業者へは一括で入金する、といった支払い方法が可能です。
高額な商品・サービスの決済に向いている決済手段ですね。
アフィリエイト機能
エルメのプロプランのみで利用できる機能がアフィリエイトセンターです。
これは、既存の友だちユーザーがLINE公式アカウントを知人などに紹介し、紹介された人が友だち登録をしてくれた場合に、紹介元のユーザーに紹介手数料やクーポン等の報酬を渡す仕組みを指します。
ユーザー同士のつながりを生かして友だちを効率よく集めたい時に活用できる機能になります。
Chatwork連携
エルメでは、1:1チャットや新規予約が入った場合などに、その通知をChatworkで受け取るような通知設定ができます。
普段からChatworkを活用している方や、プライベートと仕事で通知が届くアプリを分けたい方にとっては嬉しい機能ではないでしょうか。
Linyのみに搭載されている機能
ファネル分析
目標(例:商品購入)までのプロセスをいくつかのフェーズに分け、各フェーズの人数や到達率・離脱率を自動で算出・グラフ化する機能です。
どこが問題となっているフェーズかがひと目で分かるため、目標到達率を上げる取り組みを効果的に実施できます。
スコアリング
来店回数やHPアクセス数などの友だちの行動をカウントすることで、興味・関心の度合いを数値でスコアリングできます。
スコアの高い友だち限定で配信やクーポン配布を行う、アンケートを送付して意見を収集しするなど、効率的なコンバージョン獲得や顧客満足度向上への施策が打てます。
アイコンスイッチ
メッセージ単位で配信のアイコンと送信者名を自動変更する機能です。
同じアカウント・管理画面から配信するメッセージでも、普段の一律配信と担当者からの個別配信といったように見せることができます。
より丁寧でスタッフへの親近感を高めるやり取りに効果的です。
サポート体制を比較
サービス利用中のサポート体制についても比べてみましょう。
エルメでは、使い方が分からなかったり不具合が生じた際はLINE、またはチャットでのサポートを受けることができます。
オンラインミーティングなど、リアルタイムでの対人サポートは基本的に有料・別サービスです。
Linyでは、チャットや電話でのサポートに加え、オンラインでの対面サポートも手厚いです。
初回の導入時から設定、運用に至るまで、専任の営業担当者がさまざまな相談に乗ってくれます。
このサポート体制の差が、料金面に反映されていると言えそうですね。
まとめ
今回はエルメとLinyを比較検証してみました。
利用料金の部分から、具体的な機能に至るまで、かなり違いがあることがお分かりいただけたのではないかと思います。
双方のツールをよく理解して、自身が目指すアカウント設計・運用に相応しいものを取り入れていきましょう!