今回はLINE公式アカウントの拡張ツールである、エルメとプロラインフリーを比較していきます。
同じ機能拡張ツールでも、利用料金の発生基準や搭載機能などさまざまな違いがあります。
自身のアカウントに適しているツールはどちらか、考えながら一緒に見ていきましょう!
料金プランを比較
まずは料金プランを比較してみましょう。
エルメ・プロラインフリーともに3プランで構成されており、配信数やステップ数、使える機能面で差がある形になります。
料金面
どちらのツールでも、初期費用は無料となっています。
また、最低契約期間の縛りもありません。
エルメ・プロラインフリーともに、月額料金無料のフリープランが設けられています。
一部機能面等で制限がかかる項目がありますが、無料で使える期間に上限はないため、完全無料で利用し続けることが可能です。
加えて、プロラインフリーではプロプラン・ゴールドプランの有料プランで、初回契約から30日間無料というお試し期間が設置されています。
フリープランだけでなく有料プランも試せるのは嬉しいですね。
月間配信数・ステップ数
エルメのフリープランでは、月間1,000通まで配信が可能です。
有料のスタンダード・プロプランではこの配信数制限がなくなります。
一方、プロラインフリーでは、すべてのプランで配信数が無制限となっています。
代わりに、設定できるステップ数(シナリオ内のステップメッセージ数+稼働中の予約リマインド配信数)において制限がかかります。
フリープランだと10個まで、プロプランだと50個までステップを登録することができ、最上位のゴールドプランにすると無制限となります。
エルメではこのステップ数における制限というものはありません。
それぞれのツールでどこを基準に課金するかが違ってくるということですね。
チャット履歴閲覧期間・友だち数上限
エルメでは、フリープランにチャット履歴の閲覧期間制限が、全プランでアカウントの友だち数に上限が設けられていますが、プロラインフリーではこのような制限はありません。
メディア容量
プロラインフリーでは、ツールにアップロードしメッセージ配信等に使用するメディアのデータ容量に制限があります。
フリープランは100MBまで、プロプランは10GBまで、ゴールドプランは100GBまでアップロードが可能です。
エルメではこのような容量制限はありません。
機能面を比較
続いて、機能面を比較してみましょう。
主要機能のうち、内容に差があるものを抜粋しまとめてみました。
どちらにも搭載されている機能
リッチメニュー
トーク画面下部に固定表示し、特定ページへのアクセスやメッセージ送信などのアクションを起こさせるリッチメニューは、高い情報伝達力を誇ります。
エルメでは、全プランでリッチメニュー設定が可能ですが、フリープランの場合設定できる数が2つまでに制限されます。
有料プランではこの制限はありません。
プロラインフリーでは、すべてのプランで無制限にリッチメニュー設定が可能です。
フォーム作成
友だちから商品やサービス、友だち自身についての情報を収集できるアンケートフォーム機能は、どちらのツールでも利用可能となっています。
ただし、エルメのフリープランを利用している場合、作成できるフォームは3つまでとなります。
カレンダー予約
24時間365日予約受付ができるようになる大変便利なカレンダー予約機能。
エルメでは、フリープランを含め全てのプランで利用可能ですが、作成できるカレンダー数などにプランごとの差が設けられています。
例えば、フリープランではカレンダー数は1つまでですが、スタンダードプランでは3つまで作成できるようになるため、カレンダーを分けることで1つのエルメアカウントで3店舗分の予約受付を一括管理することが可能となります。
プロラインフリーでは、全プランでカレンダー予約機能を使える上、作成できるカレンダー数に制限もありません。
複製して作成もできるので、複数店舗を経営している場合にはより便利に活用できそうですね。
イベント予約
カレンダー予約と同様、イベント形式での予約受付もどちらのツールでも行えます。
エルメの場合は、プランによって決済機能の有無や作成できるイベント数に制限があります。
(フリープラン:決済機能なし・イベント2つまで、スタンダードプラン:決済機能あり・イベント10個まで、プロプラン:決済機能あり・イベント数無制限)
プロラインフリーでは、どのプランでも決済機能を用いたイベント予約を数制限なしで作成可能です。
商品販売
LINE上で販売する商品の登録機能は、双方のツールで使えるものです。
ただし、エルメだとプランごとに登録できる商品数が限られます。
(フリープラン:単品・継続各1つまで、スタンダードプラン:単品・継続各10個まで、プロプラン:無制限)
プロラインフリーだとこの数的制限はありません。
データ分析
友だち自身や行動履歴から取得した多様なデータを分析・出力できる機能については、エルメでは作成したフォーム等のタップ数計測や、タグや友だち追加日などの複数条件を用いるクロス分析など、詳細な視点でのデータ計測・分析が可能となっています。
メッセージ配信などの効果測定をする際に役立ちそうですね。
プロラインフリーでも、友だちを条件で絞り込んでのグラフ表示やタグの付与人数などの数値計測はできますが、出力できるデータ精度・レベルとしてはエルメが優る印象です。
アフィリエイト
アフィリエイトとは、既存の友だちユーザーがLINE公式アカウントを知人などに紹介し、紹介された人が友だち登録をしてくれた場合に、紹介元のユーザーに紹介手数料やクーポン等の報酬を渡す仕組みを指します。
ユーザー同士のつながりを生かして友だちを効率よく集めたい時に活用できる機能になります。
エルメではプロプランで、プロラインフリーでは全プランで利用可能です。
スタッフ権限管理
エルメでは、スタッフ一人ひとりに対し役職設定(例:管理者)と詳細な権限設定(機能ごとの操作可否)をすることができます。
ただし、利用プランによって登録できるスタッフ数に制限が設けられています。
(フリープラン:管理者を含め2人まで、スタンダードプラン:11人まで、プロプラン:無制限)
プロラインフリーでは、スタッフごとにアカウントへのログイン可否は設定できますが、操作可能範囲については、全範囲可能・一部可能というプリセットされている二択から選択する形となり、そこまで詳細に設定することはできません。
ログインできるスタッフ数については、プロラインフリーでは制限なしです。
決済機能
エルメ・プロラインフリーのどちらにも決済機能が搭載されており、商品・サービスの紹介・宣伝から、販売・決済に至るまで、一連の流れをすべてLINE上で完結することが可能です。
エルメはUnivaPayとStripe、プロラインフリーはPayPalとStripeに対応しています。
エルメが対応しているUnivaPayを導入することで、最大24分割で決済・事業者へは一括で入金する、といった支払い方法が可能となります。
高額な商品・サービスの決済に向いている決済手段ですね。
エルメのみに搭載されている機能
リッチメニュー画像作成
テンプレートやアイコンを使って、リッチメニューに使用する画像を簡単に作成できる機能です。
サイズや陰影、カラーを整えることで、初心者でも印象の良い画像を手軽に用意することができます。
スマートフォンアプリ
エルメではスマートフォン用アプリがリリースされています。
友だちとの1:1チャットのほか、カレンダー予約やフォーム回答など、こまめに確認・対応したい機能が搭載されています。
いちいちPCを開かずとも、ちょっとした隙間時間に手軽に顧客対応ができ大変便利です。
テンプレート
使用頻度が高いメッセージ等を保存し、さまざまなアクション設定にそのまま流用できます。
逐一コピペや配信設定をする手間が省けるため、効率アップと設定ミス防止につながります。
ポップアップ表示
LPなどホームページ上にポップアップ式の広告を掲載できます。
商品やサービス内容に興味を持ったユーザーをLINE公式アカウントに誘導し、友だち登録をしてもらう導線構築に効果的です。
サイトから離脱する方をLINEの方に誘導することで、機会損失を無くす効果も期待できます。
通知設定
エルメでは、1:1チャットや新規予約が入った場合などに、その通知をChatworkで受け取るような設定ができます。
また、通知を受け取る項目やスマートフォンアプリでの通知の有無、受け取る頻度(時間間隔)など、詳細な設定が可能となっています。
必要な内容を適切な頻度でお知らせしてくれるのはなかなかに有難いですね。
プロラインフリーにのみ搭載されている機能
LP作成
商品・サービスの申込みを受け付けたりするWebページ(LP)を作成できます。
メディア媒体の埋め込みはもちろん、申込み期限等にカウントダウン機能をつけることも可能です。
ページ全体のテンプレートもあるので、Webページの作成が初めての方でも問題なく作成できます。
メディアライブラリ
メッセージやコンテンツページに使用する画像や動画などのデータをまとめて管理する機能です。
限定公開や特定のページからアクセスした場合のみ表示など、メディアごとに細かく公開設定ができます。
タイマー付きチケット
有効期限付きのチケットやクーポンを発行・配布できます。
利用した友だちを対象にメッセージ配信やステップ配信開始設定もできるので、クーポン利用→再来店のリピーター育成を促進するのに役立ちます。
クーポン機能は従来LINE公式アカウントの設定項目ですが、その発展形がプロラインフリーに搭載されている形です。
同じツール内で一元管理できるため運用が手軽になりますね。
メール連携
外部のメルマガ配信スタンドから送信したメールの「件名」と「本文全体を閲覧できるURL」を、アカウントの友だちに届ける機能です。
既にメルマガ購読者を一定確保しており、LINE公式アカウントと並行して運用したい場合に活用できそうです。
サポート体制を比較
サービス利用中のサポート体制についても比べてみましょう。
エルメでは、使い方が分からなかったり不具合が生じた際はLINE、またはチャットでのサポートを受けることができます。
オンラインミーティングなど、リアルタイムでの対人サポートは基本的に有料・別サービスです。
プロラインフリーでは、不明点についての質問はフォームでの受付・メール返信となります。
そのほか、専門スタッフによる個別コンサルを一度無料で受けられたり、プロラインフリーの操作方法やLINEマーケティング全般について学べるセミナー動画を視聴できたりします。
どちらのツールも、動画とテキストで解説する手厚いマニュアルが用意されているので、導入直後はそちらを参照しながら設定・構築を進めていくと良いでしょう。
まとめ
今回はエルメとプロラインフリーを複数の観点から比較してみました。
料金プランが決まる基準から、具体的な機能に至るまで、かなり違いがあることがお分かりいただけたのではないかと思います。
双方のツールをよく理解して、自身が目指すアカウント設計・運用に相応しいものを取り入れていきましょう!